きのうのおやつ ちびっこマドレーヌ
小さい人がぽそっといいました。 「お友だちから年賀状が来なかった。忘れられちゃったんだ。」 小さい人は原発事故のあと、うちへ引っ越してきました。
はじめは春休みだけのつもりでした。 状況は変わらず、むしろ悪くなり、お友だちに挨拶も出来ずに転校しました。
「またね」って言って別れたのに、あれから会えないのです。
そのせいで忘れられて、お返事が来ないというのです。 小さい人の学校は何人もの児童が転校したそうです。
そのお友だちも転校しているかもしれません。
年賀状が届いたのかもわかりません。 放射能から逃げるために何回も避難を繰り返して
転居先不明になっているひとがたくさんいるのです。
事故直後なんて、自分がどこに避難させられたのか、
全くわからない状況だったのですから。
年賀状を出すためのアドレス帳を持ち出す余裕などあるはずもなく、
『一時帰宅』は、防護服を着て短時間。何が出来るでしょう。 私のだいじな小さい人は、じっとがまんして、毎日がんばっています。
家に帰りたいと言えばママがつらい思いをするってわかってる。
ママには一度も「帰れるの」ってきいたことないんですって。
お友だちもおじいちゃんおばあちゃんもいて、
大事なものがいっぱい詰まった自分の部屋があって、
好きな習い事もがんばって…
楽しく過ごしていた家に帰りたくないはずありません。
こんな状況を作ってしまった自分たちオトナは、今後をどうするのか
ちゃんと意思表示しなきゃと思うのです。
| 固定リンク | 0
コメント